「スモールウィン」を感じてもらえる副業人材の特徴【面談編】

 JOINSは、地域企業(以下、企業)と副業プロ人材(以下、人材)が「長く、お互いに応えあう関係」を築くことを目指しています。具体的には、企業が抱える「今、解決したい課題(≒人材にお願いしたい仕事)」に対して、人材から「自分ならこうアプローチします」という具体的な解決策を提案する、ダイレクトマッチングの仕組みを運営しています。

 人材が、企業にとって「長く頼りになる存在」になるためには、はじめのステップとして、まず企業から提示された課題に真摯に取り組み、小さな成果(スモールウィン)を創出することが重要です。そのプロセスや成果がお互いの信頼のベースをつくり、「次の仕事」が生まれ、中長期的な関係につながっていくと考えています。

  企業にとってスモールウィンをイメージしてもらえる人材の特徴とは――。前回(応募書類編|会って話を聞いてみたいと思ってもらえる応募の書き方)に続き、今回は、マッチングプロセスの「面談」に着目。人材に対して、一緒に良い仕事ができそうだと企業が感じるポイントについて考えてみたいと思います。

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「副業の面談」の目的を知ろう

 面談(特に一次面談)は、企業と人材が募集・応募の段階で伝えきれなかった情報をお互いに交換して、「どのような課題解決が期待されているか」の認識をすりあわせる場です。とりわけ企業にとっては、応募内容から読み取った「この人とだったら良い仕事ができるかもしれない」という期待(予感)の確度を上げるための場とも言えます。

  前回の記事で、面談に進む人材の応募書類に共通する特徴として次の3つをご紹介しました。(詳しくはこちら

  1. ○○の経験がある・貢献できる(CAN)
    +○○に共感した・是非やりたい(WILL)がある
  2. 具体的な自分の考え・主張だけでなく、
    自分なりの「納得解」を探る構えも見せている
  3. 相手が見ている「景色」を想像して書いていることが伝わる

 企業側の経営者や採用担当者は、例えば上の3つのようなポジティブな印象(一度会って話を聞いてみたいと感じた期待・予感)が正しかったのか?を、人材との会話を通して(面談の場で)確かめたいと思っているかもしれません。


この人と仕事がしたいと企業が思う瞬間とは

 JOINSでは、業務開始時に、マッチングが成立した企業と人材とのミーティングを実施しています。以下は、「なぜその人材と一緒に仕事をすることを決めたのか」との話題に及んだ際に、よく企業側から出てくる声の一例です。

  • 経歴が立派な方からたくさん応募があったが、最後は人柄で決めた。(当社の社員と馴染めそうだと感じた)
  • 無理のないところから変えてくれそう。いいところは残しつつ、知識やスキルの足りない当社に寄り添って進めてくれそう。
  • 当社のことをよく理解していて、話が早かった。また、話しているうちに漠然としていたことが整理できた。

  これらを見ると、先に挙げた良い応募書類の3つの特徴とも重なる部分が多いことがわかります。本質的なこと(企業が確かめようとしていること)は、応募でも面談でも大きく変わらないのかもしれません。企業は、応募を受け取った時点での限られた言語情報を、面談の場で得られる追加の言語情報や、表情や雰囲気、会話の「間」などの非言語情報で補いながら、人材に対して抱いている期待感が妥当であることを確かめていると言えそうです。

(参考)企業がどんな人と一緒に仕事をしたいと考えているのか?については、JOINS代表・猪尾が寄稿したこちらの記事もぜひご覧ください。
副業の採用面談を受けるまでに考えたい、現実的な「3つのポイント」(ダイヤモンド・オンライン|2021.3.2


就職や転職の「面接」との違いは?

 この記事を読んでいる皆さんの中には、現在企業に雇用されながら副業をしている、またはこれから副業を始めようとしている方もいるでしょう。筆者もその一人です。そんな皆さんが一度は経験されたであろう就職活動における企業との「面接」と、副業先候補の企業との「面談」では、どのような違いがあるでしょうか。その違いを認識したうえで、どのような心構えで面談に臨めばよいのでしょうか。

 一般的な就職支援セミナー等でよく言われるのは、企業にとって「面接」は、目の前にいる人材の語る経験や実績が、やや条件の異なる仕事や環境においても応用できそうなものか(再現性)を推し量る場であるということ。副業の「面談」もおおむね同じですが、前提とされている時間軸(活躍するまで待てる時間の長さ)が短いため、小さくても具体的な成果(スモールウィン)と、そのための実行力が期待されます

 また副業人材の場合は、(無期雇用の新入社員と違って)職場メンバーとの関係構築に十分な時間と手間をかけられません。そのため、特に現在はリモートワーク中心で接点が限られることも相まって、業務がスタートする段階からある程度「安心して任せられそう(前に進めそう)」と予感してもらえるかが肝になります。

 地域の伝統や暮らしを大切にしながらビジネスを営んでいるJOINSのパートナー企業からは「同じ思いで仕事をしてくれる人を待っています」という声がよく聞かれ、副業≒仕事上のドライな関係と割り切らず、人材との信頼関係を重視している姿勢が伺えます。

  1つ注意しておく必要がありそうなのは、副業人材を求めている企業であっても、これまで表の左側のような人材採用(無期雇用)しか経験がない場合もある点です。

  短期間でスモールウィンを実現するためには、「具体的に実現したい状態は?」「そのために企業がサポートできること・できないことは?」「進捗連絡の方法や頻度のルールは?」などについて企業と人材がお互いの認識を揃えることが大切です。

 しかし副業人材の活用に不慣れな企業の場合、期待や要望を言葉にする(仕様を決める)のが得意でないことも珍しくありません。そのような可能性があることも念頭に置いてコミュニケーションを重ねていく姿勢が人材側にも求められます。このあたりはまた別の機会にテーマとして取り上げたいと思います。


面談はお互いの期待感をすりあわせる場

 今回は、マッチングにおける「面談」に着目し、「応募書類」との関係も踏まえながら、企業が人材を選ぶ際の視点について確認しました。また副業人材として、スモールウィンのイメージを企業と共有するにはどのようなスタンスで面談に臨むと良さそうか、一般的な就職面接との比較も交えながら考えてみました。

 企業にとっても、これから副業を始めようとする皆さんにとっても、「面談」が、共に良い仕事をするパートナーとしての期待感を率直に確認しあえる時間になるように、JOINSも引き続きサポートしていきます。


(イラスト|freepik.com