「中小企業デジタル化応援隊」録画必要に ポイントを事務局に聞いてみた

「中小企業デジタル化応援隊事業」のサイト

※2021年9月15日12時30分追記 デジタル化応援隊事業は現在、不正受給を指南する活動が行われている旨の通報が事務局に寄せられるなど、不正の疑いのある事案が複数確認され、9月16日午前0時から事業を一時停止します。詳しくは事務局サイトをご覧ください。

デジタル化を進めたい中小企業に対し、ITの専門家がデジタル周りの課題を解決する「中小企業デジタル化応援隊事業」。昨年9月にスタートし、現在第Ⅱ期が始まっています。そんな中、7月20日付けで利用規約が一部変わり、中小企業とIT専門家がミーティングを行っている間の動画撮影が必要になりました。実際にどのような場面で撮影をしなければならないのでしょうか。事務局にポイントや注意点を聞きました。

目次

  • 中小企業デジタル化応援隊事業とは
  • 録画の背景は不正防止の強化
  • 対面での打ち合わせも録画は必要
  • 専門家の業務報告は資料添付を
  • データの保存期間は5年 忘れずに!

中小企業デジタル化応援隊事業とは

デジタル化応援隊の仕組み(出典:中小企業デジタル化応援隊事業のサイト)

「デジタル化応援隊事業」は、中小企業のデジタル化を推進するため、2020年9月から始まった国の事業です。 国から委託を受けた事業者が、デジタル関連の支援を希望する中小企業とIT専門家をマッチングします。既に面識があったり、契約したりしているIT専門家とも契約できます。 JOINSでもデジタル化応援隊事業を利用し、副業人材とデジタル化を進める企業が数多くあります。

WebマーケやECサイト構築… デジタル化を支援

デジタル人材の活用で、どんな経営課題が解決できるのでしょうか。テレワーク導入、Webマーケティング、ECサイトの構築やクラウドサービスの導入など幅広い課題に対応します。 実際の活用事例を見ると、飲食業がキャッシュレス決済とECを構築したり、メーカーがBtoBのマーケティングツールを導入したりといったケースが挙げられます。 現在第Ⅱ期が始まっており、企業、専門家ともに登録期限は9月30日までです。

1時間当たり最大3500円を国が助成

仕組みはIT専門家と中小企業の間で時給単価を設定しますが、1時間当たり最大3500円を国が助成します。例えばある専門家が時給5,000円で20時間稼働した場合、受け取る報酬額は10万円です。このうち7万円を国が補助するため、中小企業が負担するのは30,000円です。

録画が必要になったのは不正防止の強化

(イラスト|freepik.com

なぜ動画撮影をする決まりになったのでしょうか。事務局によると、残念なことに一部でIT専門家が介在した不正があり、規約が変更になりました。補助金の不正受給は補助金適正化法違反だけではなく、詐欺罪などの刑法に問われる場合もあります。動画撮影は稼働実態があるかどうかを確認する目的があり、事務局に求められた場合に、専門家が提出します。

キックオフMTGなど打ち合わせは録画を

録画は業務を提供する人材側が行います。録画が求められるのはキックオフミーティングや進捗の確認など中小企業との打ち合わせの場面。Zoomなどオンライン会議ツールを使う場合は、レコーディング機能などで打ち合わせの最初から最後まで全て録画する必要があります。人材が運営事務局に提出する請求書は1時間単位です。

対面で打ち合わせをした場合は?

今はコロナ禍でオンラインが進んでいますが、対面の場合はどうでしょうか。 「対面で打ち合わせをした場合もオンラインと同じで録画が必要になります。スマートフォンなどでの記録をお願いします」(事務局)。 つまりオンライン、オフライン問わず記録しなければならないということです。

例えば会議室などで打ち合わせをしている間に「ちょっと作業現場を見に行きましょう」などという話になり移動することも考えられます。この場合は、場所を移動した後も記録を続けます。「専門家が提出する『支援計画の報告』に入れる打ち合わせに関する時間は全て録画が必要になります」(同)。

もう1つ、気になるのがICレコーダーによる音声のみの録音です。事務局によると「原則は動画撮影のみになります。やむを得ず音声の録音だけになる場合は、事前に事務局にどのような事情で音声録音になるのかを確認をとってほしい」といいます。中小企業デジタル化応援隊のサイトに問い合わせフォームがあります。

録画できなければ、補助金の対象外になる可能性も

うっかりしていて録画ができなかった場合はどうなるのでしょう。動画は事務局が提出を求めた場合に必要になりますが「録画ができていない場合は謝金の支払い対象外になる可能性もあります」(担当者)。専門家側は、打ち合わせの前に入念に確認することが大切です。

専門家の業務内容、資料添付が必要に

(イラスト|freepik.com

一方で、専門家が1人でパソコンでリサーチや作業を進める時間帯は録画はしないで大丈夫です。ただし、作成した資料などを添付して提出する必要があります。ちなみに報告書の提出期限は12月17日まで、謝金申請の期限は12月24日までなので、業務が終わったらすぐに提出したほうがよさそうです。

データの保存期間は5年、忘れずに!

最後に専門家側が気を付けなければならない点がもう1つ。 規約では録画データは契約が完了した年度から5年間は保存する必要があると定められています。 デジタル化応援隊は2021年度に第Ⅱ期がスタートしているので26年度まで保存し、事務局の求めがあった場合はデータを提出する規約です。

今回は、デジタル化応援隊事業の規約に新たに盛り込まれた動画撮影のあれこれを紹介しました。第Ⅰ期にはなかった規約なので、企業側も人材側も気を付けてほしいポイントです。

投稿者プロフィール

国分瑠衣子
国分瑠衣子
ライターとして週間東洋経済、会社四季報、弁護士・税理士ドットコムなどで取材、執筆しています✒JOINSではオウンドメディアを担当。北海道美瑛町出身ですが🌽コロナ禍で2年ほど帰郷できずで、中学校の同級生から送られてくる写真を眺めて懐かしむ日々です🥔